私がオーストラリアに来た理由
こんにちは、ちぃぼうです!
更新が滞っておりすみません。相変わらずマイペースで、かつ充実した毎日を過ごしております。4週間の呼吸器内科の実習を終えて、現在はGeneral Medicine(総合内科)の実習に参加しております。呼吸器の朝回診で毎朝教授に質問攻めにされていたのが懐かしい……。(とてもお勉強になりました!)
●General Medicineとは
救急科に搬送された患者さんのうち、social backgroundsが複雑な方、一つと言わず様々な疾患をお持ちの方など、他の科がすすんで引き受けてくれなかった患者さんが主にGen Medに運ばれてきます。(救急のシステムについてはこちらを参考に)
なんでもやさんって感じですね。(現地の先生曰く、Geriatricsの若いバージョンみたいな感じ)
例えば、アルコール中毒・IV drug user・ホームレスの方・刑務所にいる方など、日本の実習ではあまりお目にかからないbackgroundsをお持ちの方もいれば、心疾患&COPD&肥満&糖尿病&貧血....とたくさんの疾患をかかえる患者さんまで、本当に様々です。いろんな内科系の疾患の復習になるので有り難いです!
朝回診は基本的に毎日8:30からです。前にも書きましたがオーストラリアはカルテが未だに紙ベースなので、回診中誰かが書き留める必要があります。インターンがやらない時はわたしたち学生がその仕事を引き受けます。Attendingの先生と患者さんとの会話を少したりとも聞き漏らさないように集中し、Issue,
Assessment, Planを急いで書き留めないといけないので、さすがの私も一応キンチョーします。特に私は薬の名前を正しく書くのが苦手なので、手が止まっている時は優しいイケメンの研修医が耳元で教えてくれます。いつもありがとう……。
特に週明けの月曜日などは、朝回診がお昼過ぎまでかかってしまう時もあるので、そんな時はやっぱりコーヒー休憩を挟みます。どんな時も一息つくことを忘れないようです。
Jacky(医科歯科にelectiveで来ていた学生)と一緒に回れてうれしい♡
Hudsons coffeeにて |
患者数がとても多い分、できるだけ早く患者さんを退院させる方向で進めないと回らないので、毎朝のカンファや回診ではいつdischargeさせるかという議論が多いです。特に14日以上の入院だと、カンファで議題となります。
家族がいて自宅に戻れそうな方は退院していただきますが、緩和ケア(約してPallと呼んでいます)やnursing home(介護施設)に行かれる方もたくさんいます。とはいえ介護施設もすぐには入れませんので、そのまま病院でお身取りされる方も。
Pall careと聞くとdeathを想像するご家族も多いので、現実を受け入れられずdiscussionに時間がかかることも多いです。院内には緩和ケア専門の相談員の方、MSW、医師、看護師の方と相談しながら今後の方針を決めていきます。
また、回診ではERやICUにも患者さんがいることが多いので毎朝回るのですが、時折、臨場感の溢れる現場に遭遇することも。(20人くらいの医師・看護師総動員で、心停止した患者さんにECMOを導入する現場など)そんな時は指導医の先生が、「回診なんかより、ここで見てな!」といってくださるので、ERやICUで色んな現場も経験できました。
●なぜオーストラリアを選んだか
他の派遣先の方も書いているので、流れで書いてみます!いくらか参考になれば……。
4年生の時はネバダに5ヶ月いたので、正直アメリカはしばらくいいやという感じでした(笑) あと、大都会は好きじゃないので却下。
・英語圏かつ自分の興味のある科を高い確率で選択実習できる
診療科は第4希望まで出すことが出来ますが、ほとんどの人が第1~3希望の中の2つに決まります。私はできるだけ多くの患者さんの診察や採血などの手技を実際に経験しておきたかったので、2ヶ月とも内科系の診療科を選びました。呼吸器内科は日本でも回ったので、日本とオーストラリアでの疾患の違いなどを学べて楽しいですし、総合内科は日本にそもそもないので、おもしろいです。オペを長時間みるのも早起きも苦手なので外科系は自分の選択肢にありませんでした。
・手技や診察をたくさん行える
日本にいるとせいぜい静脈血の採血くらいしか医学生はやらせてもらえませんが、私は呼吸器内科にいる時に動脈血採血を何度もやらせていただけましたし、スズキくんはIV cannulationも何度かやったと言っていました。こちらでは学生の仕事のようです。その他、色覚検査やMMSEやMoCAなどの検査も行わせていただきました。
それからminiCEXのような問診→身体診察→上級医にプレゼン、といった流れもたくさん経験できます。(現地の医学生はマストのようです)私も初めは一人でやる自信が無かったので現地の医学生と一緒に診察して容量を掴み、次から一人で行けるようになりました。Prisonorの患者さんと話したことも何度かあります。(警官が常に横に2人いて、ベッドに手錠で繋がれています)日本ではprisonorに診察することはなかなかないので、いい経験になりました(笑)
・オーストラリアの予防医療が自分の目で見てみたかった
私が医学部に興味を持ったきっかけが予防医療であり、現在も予防医療普及協会の正式メンバーとして活動しているのですが、なかでもオーストラリアは予防医療推進国として名高いのです。国を挙げてNational Immunization Programに力を入れていたり、かかりつけ医のGPのお医者さんが予防医療の推進に大きな役割を果たしていたり。是非とも自分の目で確かめたい、良い部分は日本に帰って取り入れたいといった思いでした。実際に現地の先生方にお願いをしてGPの診療所を2カ所訪問させていただいたり、自分なりに聞き取り調査を行ったりしたので、後に共有したいと考えています。
・実習の自由度が高い
もちろん診療科によるので何とも言えませんが……、おおむね拘束時間はそれほど長くありません。ですから国家試験の勉強や患者さんの診察などにたくさん時間を割くことができます。現地の医学生と一緒に授業に出ることもあります!(こちらも参考に)
こちらから積極的にあれがやりたい、これがやりたいとアピールすれば、何でもやらせてもらえる雰囲気ですし、融通も利くと思います。逆に消極的な態度で臨むと得られるものも少ないと思いますが。私は呼吸器内科のsupervisorの先生にお願いをしてGPのクリニックの訪問が実現しました!
こちらから積極的にあれがやりたい、これがやりたいとアピールすれば、何でもやらせてもらえる雰囲気ですし、融通も利くと思います。逆に消極的な態度で臨むと得られるものも少ないと思いますが。私は呼吸器内科のsupervisorの先生にお願いをしてGPのクリニックの訪問が実現しました!
・家探しをしなくてよい&寮が病院から徒歩1分
2年前にプロセメでアメリカに行った時にアパートの契約のことでトラブルを起こしたので、二度と家探しはしたくありませんでした(笑) 配置としては、病院⇔図書館⇔寮が各30秒の移動で行けます。移動に無駄な時間もお金もかけなくてよいので、QOLは高めです。
……といった感じでしょうか。
キャンベラは首都なのに自然もたくさんで、とても心地良いです(^^♪
●実習に参加して感じたこと
では実際にThe Canberra Hospitalでの実習に参加してどうだったか。
まず先生方に、基本的には現地の医学生と同じレベルの知識と語学力を持っているものとして扱ってもらえることが何より嬉しかったです!!(まだまだですが)
「カルテ書けるよね?書いてもらっていい?」「採血してきてもらえる?」「サマリーを書くの手伝って~」などと、普通に任せてもらえるのがとても嬉しい……。アジア人の学生もそれなりにいるからだと思いますが、自分から言わないとANUの医学生だと勘違いされたままになって何でもお願いされるので、無理なものは断りましょう(笑)
留学生だからまぁいっかといって放置されたらどうしようと不安に思っていた気持ちが、一気に吹き飛びました。お言葉に甘えて何でもチャレンジさせていただいております!
ちなみに、カルテの解読は未だに克服できていません。。。(字がきたなすぎて過ぎて読めないから)
それから、病院内にたくさん友達ができます!なぜならANUの医学生は皆キャンベラ病院で実習をするからです。また、他国から(マレーシア・香港・イギリス・台湾など)私たちのようにElectiveで来ている医学生もたくさんいて皆同じ寮に住んでいるので、仲良くなれますし、それぞれの国の医療の違いなどを知れて楽しいです!現地の医学生と一緒に遊びに行くことも、パーティーをする機会もたくさんあります。
コミュ力さえあれば、何とでもなります!
図書館で突然声をかけてくれて実現したホームパーティー♪ |
仲良くなった研修医が他の科に異動になっても「診察できそうな患者さんいたら教えて!」といって頼ることもしばしば。
何を隠そう、こんなに充実した実習生活を送れているのは、医科歯科にelectiveで来ていたJackyのおかげかもしれないです。。
UNIQLOのブラウスがたまたま被った記念にw |
医科歯科で実習をしていた時もよく一緒に過ごしていたのですが、こちらでも毎日のようにお昼一緒に食堂で食べてくれたり、友達をたくさん紹介してくれたり、困ったときは助けてくれたり、空港まで迎えに来てくれたり、至れり尽くせりです。いつも本当にありがとう!
提携校ならではのご縁にとても感謝しています!
以上より、自分はキャンベラでの実習がすごく合っていたと思います。
昨日できなかったことが、今日できるようになったりと、毎日少しずつ成長を感じられる日々です。
●寮について
先ほども少し触れましたが、私たちの住んでいる寮(Residences)は、病院まで徒歩1分です!そして病院とResidencesの間に、ANU医学生の子が授業を受ける建物と図書館があり、24時間利用できます。とっても快適です……。ちなみに家賃は月5万弱と破格!
寮には、Electiveで来ている学生の他、temporaryで働いている医師や看護師や放射線技師さんなどが住んでいて入れ替わりも激しいです。誰かが来ればwelcome partyをして、帰る時にはfarewell
partyをしたりと、イベントも多めでさみしくありません(笑)
私もお好み焼きで貢献! |
*なんと過去の先輩のブログにとてもわかりやすくまとめられているので、こちらもぜひ参考に
●Med Revue
脚本、演出、ダンス、お芝居、演奏、歌、映像の編集など全てANUの医学生が行うミュージカルです。チケットやフードなどの売上金は全てCompanion Houseというオーストラリアの難民や外的・心的外傷に苦しむ人々をサポートする団体に寄付されるという、何とも素敵なイベント。(ちなみに今年は$15000寄付されたそうです。)
今年のミュージカルのタイトルは「How to train your doctor」でした♪
AI医師vs人間医師といった内容で、実習への痛烈な皮肉があったり、ユーモアたっぷりで面白かったです。勉強や実習で忙しいのに、たくさん時間をかけて準備しているなんてすごいなあと思ったのと同時に、日本でも歌や演奏やお芝居などに長けているTalentedな医学生は多いような気がするので、このようなチャリティイベントを是非やりたいと思いました!
ほんとに素敵だった |
●旅行
今のところ、Sydney, Melbourne、Uluruに行ってきました!ちなみにSydneyまではバスで3時間半、片道3000円なので、週末でさらっと行けます。Melbourneでは15年ぶりにホストファミリーと再会できて感動……。
もちろんCanberraも観光スポットたくさんあるので色々と赴いています!(無料で入れる美術館や博物館がたくさんある)カンガルーはその辺にピョンピョン飛んでいます♪
個人的にはMount Ainslieから見た市内の風景と、夜景と、満点の夜空にみえた天の川ですかね~。
線対称でとても美しい |
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
重い腰を上げて書いたので、内容が多くてすみません……。
次回は予防医療について書きます(余力があれば)!
ちいぼう
●過去の先輩のブログ
最新の情報以外にもいろいろ情報収集したい方は、ぜひ過去の先輩のブログも参考にされてみて下さい。
私も下級生の頃、何度も読んでイメージを膨らませていました。
私も下級生の頃、何度も読んでイメージを膨らませていました。
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