ANU Clinical Elective (Respiratory) ~ローテ編~
私は今、日本と1時間しか時差のない、オーストラリアの首都キャンベラにいます。秋なので暑すぎず、寒すぎず、のほほんとしてて心地よい毎日です~~♪
まだ2週間しか経っていませんが、内容てんこもりなので、ここでの生活について少しお話しさせていただきます。
●病院●
私がClinical Electiveをさせてもらっているのは、Canberraで一番大きな病院であるThe Canberra Hospital(TCH)というところです。
初めの4週間をRespiratory Medicine, 5月の4週間をGeneral Medicine(GPじゃないよ)のローテーションに参加させてもらっています。
オーストラリアにはGeneral Physician(いわゆるGP)がいるので、具合が悪い時にはまずはGPにかかります。そこでは対応できないケースがこちらの病院に送られてくるのですが、TCHはPublic hospitalという位置づけなので、ここに来るまでに半年から1年程待つ方が多いようです。。
ただしMedicareに入っていれば、だれでも無料で医療を受けられます。
(先輩のブログにわかりやすくまとめられています→こちら)
病院の中にはコーヒーショップがいくつかあったり、美容院やDonation centerもあったりします。
日本で実習している方はびっくりするかもしれませんが、オーストラリアでは医師はフォーマルな普段着で診察を行います。白衣は着ません!
女医さんはワンピースの方も多いです。
それから、マスクもつけません! 感じ悪くみえちゃうからでしょうか笑
(もちろん患者さんの部屋に入るときは付けます)
現地の学生にも「大事なのは、スマイルだよ!」と聞いたことがありますが、たしかに上記のような身だしなみで接する方が、患者さんにとっては親しみやすいのかもしれませんね。
先生方が診察するout patient clinic(外来)の部屋は、日本より広くて、ドアもちゃんとあって、窓は大きいから日差しもたっぷりで、プライバシーがすごく守られている感じがいたします。
●呼吸器内科ローテ●
・1日の流れ
私のチームは毎朝の回診が8:30から始まります。
病院から徒歩1分のresidencesに住んでいるので、7:30くらいに起きれば間に合います笑
回診が終わるとコーヒー休憩です♪
左からresident(医者2年目)のSun Jae先生、attending(医者7年目)のLinda先生、そして私です。このメンバー+日によってはもう少し上の先生と、毎日2時間くらいかけて回診しています。先生方はとっても親切で、優しくて、テンション高くて、教育熱心なので、涙が出そうなほどうれしいです。
午後は放射線や病理のカンファレンスに出たり(だいたいfree lunchがあります!!)、気管支鏡検査を見たり、外来を見学させてもらったりしますが、特にめぼしいイベントが無ければ遅くても14時くらいには「Enjoy the sunshine!」と言って解放してもらえますw
そのあとは、図書館が24時間自由に使えるので勉強したり、遊びに行ったり、お昼寝をしたりして自由に過ごしています。
こちらの先生方は医学生がそんなに長い時間病棟にいることにあまり意味を見出していないので、積極的に帰してくれますし、実習に来る学生も皆やることなかったら帰るかといったスタンスです。ただ、こちらがやりたいとお願いすると何でも叶えて下さいます!
ANUの学生さんは、例えば気管支鏡検査を1件見たら「先生今日はありがとう、じゃあね!」といって颯爽と帰っていきます。あとは「ABG・ECG・cannulaやるときは呼んでください!」と学生が書いたメモなら見たことがあります(笑)
診察や身体診察やプレゼンも、やりたいと言えば積極的にやらせてもらえます。(オーストラリアではlong caseといいます)
現地の医学生は必修らしいのですが、FOCUSでこれまで半年間練習してきたこと(事前学習についてを参照)をまさに実践できる場所なので、存分に利用させてもらっています。
FOCUSでお世話になった先生方やスタッフの皆様には心よりお礼申し上げます。
(この練習が無かったら本当に使い物にならなかったと思う……)
ただし患者さんは話すのが大好きなので、それをいかに上手く遮るかがスキルが問われるところです笑
・疾患について
日本ではあまり見ない症例が多いので、わからないことは適宜聞いたり調べたりしながらcatch upできるよう努めています。学ぶことが非常に多いです。
日本でも1ヶ月間呼吸器内科をローテーションしたので、いろいろと比べられるのもこの実習の醍醐味であります。
例えば、こちらではcystic fibrosis(CF: 嚢胞性線維症)の患者さんがとても多いのですが、私が医科歯科の呼吸器内科をローテしていた時に見た記憶はありません。
気になる方は調べていただければと思いますが、アジア系の方にはあまり見られない疾患です。肺だけでなく、膵臓や肝臓など様々な臓器に影響を及ぼされます。
それから、とある外来の診察前に患者さんの血液検査の結果を見せられて指導医の先生に
「ここからわかることは何?」
と聞かれ、
「(どう考えても小球性貧血なのはわかるけど…)ちなみにironはどれくらいですか?」
と聞くと
「正常だよ」
といわれ、「サラセミア」という答えがパッと出てこなかったのが非常に歯がゆかったです。
日本だとサラセミアの患者数はそれほど多くないため、小球性貧血と聞くとおおむね鉄欠乏性貧血でしょとなってしまいがちですが、サラセミアの患者さんはオーストラリアだと普通に多いです。(気になる方は疫学調べてみて下さい)
日本での常識はここでは通用しないなぁと、勉強不足だなと痛感する毎日です。
・システムの違い
なんとTCHでは、まだ紙のカルテが使われています。(画像は勿論パソコンで見ますが)
すべての情報伝達が紙ベースで行われているのです。
朝回診で聞き取れなかったところは後からカルテを読んで確認しようと努めるのですが、
今一番の悩みは、カルテが読めないことです。(みんな結構雑に書くので……)
どう頑張っても解読できません!!誰か助けてほしい。
こればかりは慣れないとどうしようもないので、素直に先生に聞きます(笑)
たまにびっくりするくらい丁寧な字で書いてくださったのをみると、感動します。
病院から徒歩1分のresidencesに住んでいるので、7:30くらいに起きれば間に合います笑
回診が終わるとコーヒー休憩です♪
左からresident(医者2年目)のSun Jae先生、attending(医者7年目)のLinda先生、そして私です。このメンバー+日によってはもう少し上の先生と、毎日2時間くらいかけて回診しています。先生方はとっても親切で、優しくて、テンション高くて、教育熱心なので、涙が出そうなほどうれしいです。
午後は放射線や病理のカンファレンスに出たり(だいたいfree lunchがあります!!)、気管支鏡検査を見たり、外来を見学させてもらったりしますが、特にめぼしいイベントが無ければ遅くても14時くらいには「Enjoy the sunshine!」と言って解放してもらえますw
そのあとは、図書館が24時間自由に使えるので勉強したり、遊びに行ったり、お昼寝をしたりして自由に過ごしています。
こちらの先生方は医学生がそんなに長い時間病棟にいることにあまり意味を見出していないので、積極的に帰してくれますし、実習に来る学生も皆やることなかったら帰るかといったスタンスです。ただ、こちらがやりたいとお願いすると何でも叶えて下さいます!
ANUの学生さんは、例えば気管支鏡検査を1件見たら「先生今日はありがとう、じゃあね!」といって颯爽と帰っていきます。あとは「ABG・ECG・cannulaやるときは呼んでください!」と学生が書いたメモなら見たことがあります(笑)
診察や身体診察やプレゼンも、やりたいと言えば積極的にやらせてもらえます。(オーストラリアではlong caseといいます)
現地の医学生は必修らしいのですが、FOCUSでこれまで半年間練習してきたこと(事前学習についてを参照)をまさに実践できる場所なので、存分に利用させてもらっています。
FOCUSでお世話になった先生方やスタッフの皆様には心よりお礼申し上げます。
(この練習が無かったら本当に使い物にならなかったと思う……)
ただし患者さんは話すのが大好きなので、それをいかに上手く遮るかがスキルが問われるところです笑
そして採血などの手技も積極的にやらせてもらえます。
ERや処置室で、ABGすでに3回くらいやりました!
・疾患について
日本ではあまり見ない症例が多いので、わからないことは適宜聞いたり調べたりしながらcatch upできるよう努めています。学ぶことが非常に多いです。
日本でも1ヶ月間呼吸器内科をローテーションしたので、いろいろと比べられるのもこの実習の醍醐味であります。
例えば、こちらではcystic fibrosis(CF: 嚢胞性線維症)の患者さんがとても多いのですが、私が医科歯科の呼吸器内科をローテしていた時に見た記憶はありません。
気になる方は調べていただければと思いますが、アジア系の方にはあまり見られない疾患です。肺だけでなく、膵臓や肝臓など様々な臓器に影響を及ぼされます。
Cystic fibrosis
is most common in people of northern European ancestry and less common
in Hispanics and African Americans. It is relatively uncommon in Asian
Americans.(こちら)
CFはCFTRという遺伝子の変異が原因で起こるのですが、この国で生まれた子ども達はみな新生児マススクリーニングを受けて、CFに罹りやすいかどうかを生後すぐに調べているのだそうです。
その他、結核の患者さんも数名います。オーストラリアは決して結核蔓延国ではないのですが、移民が多い国なので、他国から持ち込まれてくるケースが多いようです。
実際私達で見ている患者さんも、フィリピンやインドに年末帰省した際に罹患してしまい、オーストラリアのimmigration centreのscreeningでひっかっかて病院に来られたそうです。
毎朝このN95マスクをつけて診察をしますが、オレンジなので着けると鳥さんみたいになります。
あとは肥満の方も多いので、術後のPE(肺血栓塞栓症)もよくみますね。
(日本だとそんなに見ないですけど)
それから、とある外来の診察前に患者さんの血液検査の結果を見せられて指導医の先生に
「ここからわかることは何?」
と聞かれ、
「(どう考えても小球性貧血なのはわかるけど…)ちなみにironはどれくらいですか?」
と聞くと
「正常だよ」
といわれ、「サラセミア」という答えがパッと出てこなかったのが非常に歯がゆかったです。
日本だとサラセミアの患者数はそれほど多くないため、小球性貧血と聞くとおおむね鉄欠乏性貧血でしょとなってしまいがちですが、サラセミアの患者さんはオーストラリアだと普通に多いです。(気になる方は疫学調べてみて下さい)
日本での常識はここでは通用しないなぁと、勉強不足だなと痛感する毎日です。
・システムの違い
なんとTCHでは、まだ紙のカルテが使われています。(画像は勿論パソコンで見ますが)
すべての情報伝達が紙ベースで行われているのです。
朝回診で聞き取れなかったところは後からカルテを読んで確認しようと努めるのですが、
今一番の悩みは、カルテが読めないことです。(みんな結構雑に書くので……)
どう頑張っても解読できません!!誰か助けてほしい。
こればかりは慣れないとどうしようもないので、素直に先生に聞きます(笑)
たまにびっくりするくらい丁寧な字で書いてくださったのをみると、感動します。
●資金調達●
さいごに余談ですが、資金調達についてお話します。
臨床留学の資金調達は人それぞれです。うまく奨学金をゲットする人もいるし(トビタテやJASSO)、親が支援してくれるから問題ないという人もいます。
ちなみに私は今回クラウドファンディングに人生で初めて挑戦しましたので、ご紹介いたします。(度胸と熱いパッションさえあれば、誰でもご利用いただけますw)
fanfareというクラファンサイトを利用させていただいたのですが、
なんと、465,222円の支援をいただくことが出来ました。
応援してくださった方々には心よりお礼申し上げます。
なんと、465,222円の支援をいただくことが出来ました。
応援してくださった方々には心よりお礼申し上げます。
ご支援をいただいたからには、たくさん学んでそれを帰ってきてから還元しないと、という適度なプレッシャーを感じながら実習に臨んでいます!
それから、給付型のJASSOの奨学金と、いつもいただいている給付型の奨学金もあるので、プラマイゼロどころか、余ります。
クラファン利用するメリットとしては、
・思っていた以上に様々な方に自分のプロジェクトについて知っていただける(SNSによる拡散などで)
・応援している方の声が届きやすい
・クラファンのサイトを、資金調達だけでなく情報発信の場としても活用できる
などでしょうか。
勇気がある方はぜひ利用されてみて下さい!
・思っていた以上に様々な方に自分のプロジェクトについて知っていただける(SNSによる拡散などで)
・応援している方の声が届きやすい
・クラファンのサイトを、資金調達だけでなく情報発信の場としても活用できる
などでしょうか。
勇気がある方はぜひ利用されてみて下さい!
それでは。
つぎは生活編を書きます。
ちいぼう
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