MGH移植外科


こんにちは、こじこじです。今日でMGH移植外科の実習が終わってしまいました。


1日のスケジュールとしては、

7:00 病院到着 (PreRound or 回診準備)

7:30 多職種回診 (NPPA・移植肝臓&腎臓内科医・感染症内科医・移植外科医・薬剤師)

8:15 Attending回診

9:00 オペ

17:00 帰宅

が標準的な1日です。

水曜日には8:30からRussell先生 (MGH一般外科のトップを25年間務め、御年94歳!MGH前の博物館の名前にも入っています。) が主催するジャーナルクラブと1週間の報告を合わせた回診があります。HMS学生と僕もここでローテ中にジャーナルクラブで発表する機会をいただきました。HMS学生が自分が1stNatureを発表した翌週に僕がやるのはプレッシャーが大きかったですが、英語ネイティブに英語で発表する機会は今までほとんどなかったのでとてもいい経験になりました。

木曜日には7:00から一般外科全体のM&Mカンファ(重篤な副作用と死亡例についてのカンファ)、そのあとは外部講師やレジデントによる講演会のGrand Roundsがあります。他者のプレゼンを聞く機会、スクラブでなくちゃんとした格好で足並みをそろえる機会として日本にも導入されていい制度なのかなと個人的には思いました!医科歯科の一部の診療科でスクラブ禁止となっている理由についてもなんとなく理解することが出来ました。


Grand Rounds 
病院品質向上計画、レジデント研究発表会、人種による医療格差、手術における録画の重要性とその教育効果について、大動脈疾患における開胸・低侵襲手術についてがテーマでどれもとても面白かったです。もちろん朝食付き。


経験できることとしては、医科歯科ではなかなか見ることが出来ない、生体腎移植・ドナー腎移植・生体肝移植・ドナー肝移植・膵腎同時移植・ドナー手術において術者、第一助手の次として術野からオペに参加することが出来ます。いわゆる移植のオペ以外にも、移植患者や移植候補者におけるシャント造設・PDカテ導入・ヘルニア・肝切・腎摘など一般外科領域から泌尿器科領域まで腹部を手広く扱っています。胸部移植は別の分野が扱っています。

移植という特性上、いつオペが来るかというのはわかりません。昼夜も土日も選ばずやって来るので、フェローの先生から21時前に電話が来て「21:30MGHの前の車に乗ってドナー手術行くよ」と言われた日は次の日の4:00に帰ってきました。僕は体力的に帰宅しましたが、ドナーがいるということはレシピエントもいるので、先生たちはそのままレシピエントの手術に入っていました。激務。

外科的な側面に加えて、内科管理も経験することが出来ます。移植後に臓器自体が機能しているのかを評価するのに加えて、タクロリムス、ステロイドやセルセプトの量の調節、感染徴候の有無など文字通り全身管理をすることが出来ます。アセスメントプランについてはじめは全く分からなかったですが、今ではなんとなく先生方の期待する答えを返せている気がします。


MGH正面玄関 4AM



外来は1日しかもともとスケジュールに組み込まれていませんでしたが、午前はNP外来で肝移植後のフォローの外来につかせていただきました。午後は患者さんにつかせていただいて、移植コーディネーター、移植肝臓内科医、移植外科医、フィナンシャルコーディネーター、ソーシャルワーカーを順番に面談する様子を見学させていただきました。外科とはいっても先生方はオペだけではなく、半日x2/週程度は外来をしており、移植後5年経過している患者さんを見ると移植の治療としてのすごさにただただ驚かされます。



日本ではあまり発達しているとは言えない移植の分野ですが、文字通り最前線を見ることが出来ました。MGH移植外科に研究や臨床で来ている日本人も多く(教授も日本人です)、キャリアについて考えさせられる実習でした。今週の日曜日にはアメリカ移植学会がボストンで開かれるということで同行させていただくことになりました。臨床も研究も見ることが出来、医学的な側面からそれを支える社会的な側面まで幅広く見ることが出来た実習だったといえます。


何杯飲んだかわからないコーヒー


以上、開放感に満ち溢れたこじこじでした。




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